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路辺野餐 [中国]

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『凱里ブルース』(原題:『路辺野餐』) 畢贛(ビー・ガン)監督

佛告須菩提
爾所国土中所有衆生若干種心
如来悉知 何以故
如来説諸心皆為非心是名為心
所以者何 須菩提
過去心不可得 現在心不可得
未来心不可得

貴州省凱里の診療所で医師として働く陳には辛い過去があるが、小学生の甥っ子ウェイウェイが生き甲斐。ある日、ゴロツキの実弟が育児放棄で甥っ子ウェイウェイを知り合い(時計屋)に預けてしまったので、遠く離れた鎮遠まで取り戻しに行く事に。それを聞いた同僚の老女医は陳にある頼み事をする。
老女医のかつての恋人は苗族の蘆笙の演奏家で余命がなかった。陳は彼と甥っ子を探そうとするが…。冒頭、金剛般若経の「心の流れ」の一節が引用され、バイタクに乗ってからの過去と未来が混濁したような鎮遠の街並みに迷い込む圧巻の長回し(40分)。独特のトーンを作る詩文と音楽も素晴らしい。

表層は『憂鬱な楽園』というよりカネフスキーの詩情、ゲルマンの縦横無尽なカメラを彷彿。最初ゆっくりと弧を描いていたカメラが突如アクセルを踏み出し優雅にダンスする。音楽が林強のせいか何故か台湾歌謡ばかりのようで、包美聖『小茉莉』がテーマソングのように流れ、老女医が主人公に託したテープは李泰祥『告別』でエンディングに流れる。



バイクに乗ってスピードが上がった時にBGMとして流れた包美聖の『小茉莉』がこの映画に魔法をかけた。その後、主人公が地元のバンド演奏とともに歌うけど、それがヘタクソで・・・滑稽さと哀愁が入り交じるすごくいいシーンだった。




映画祭のパンフレットによると、畢贛監督は1989年、映画と同じく貴州省凱里市生まれで苗族だそうだ。短編『金剛経』(12)、本作が初の長編でロカルノ国際映画祭の「現代のシネアスト」部門で最優秀新人賞を受賞。台湾の金馬奨でも最優秀新人監督賞を受賞したという。(最近の金馬奨は、中華圏から選りすぐられたものが集まり、レベルの高いものがきちんと評価されてる)現在2作目を準備中とか。今後が楽しみな監督だ。


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