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シタール!シタール!シタール! [アジア総合・日本]


famous Golden Poo building, Asakusa, Tokyo, 3 Sept. 2005

高校時代からの友人Kに誘われて、とあるイベントに行って来た。

Kは、多岐に渡る人脈と顔の広さもあって、たまに珍しいイベントに誘ってくれる。今回の誘いのメールの文中に「20人のシタール演奏」というセンテンスを見つけるやいなや、僕は「行きます!」と即答せずにはいられなかった。一体、「20人のシタール演奏」って、何よ??今日び、お琴の発表会だってそんな多人数でやらないだろうに。

白状すると、以前、僕はインドの聖地バラナシという所で、ほんの1週間だけシタールを習ったことがある。そして帰り道のカルカッタでシタールを購入し、苦労の末に自宅まで持ち帰り、独学で勉強しようと思っていたのだが、ある冬の寒い日に、触ってもいないのにフグリ状の部分がパカッと突然音をたてて裂開してしまった。ガーン。ジャララララ〜ン。
それ以来、僕はすっかりシタールから興味を失ってしまった。

だが、メールの中に「シタール」という字面を見た刹那、郷愁と同時に、忘れていた「サレガマパダニサ」というインドの音階が頭の中に蘇り、久しぶりにあの音色を聴いてみたくなったのだ。

SItaar Tah! playing at Bai-on Onsen club vol.2 monochrome VJ by Ikunishi



浅草は吾妻橋を渡った所にある、通称「ゴールデン・プー」ビルディング。その4Fにあるアサヒアートスフィアで行われた「倍音温泉クラブvol.2」は、自由桟敷席ながらほぼ満席状態だった。


第1部は、噂の「シタールまみれ」、Sitaar tah!の演奏。シタール奏者ヨシダダイキチ氏とその生徒たち20名で結成されたグループだ。もしこの世に「シタール・フェチ」なる者が存在するなら、その圧倒的な数とそれぞれ色合いの違う個性を持ったシタール群に、焦点が定まらなくなって、恍惚感とともに卒倒してしまったことだろう。

20体ものシタール演奏となると、スペースだって必要だし、量的にちょっとギンギンした音になってしまうのでは?という危惧をよそに、マンダラ画のように美しく配列した20名は、シタール特有の野太いネックをトゲのように林立させながらも、バランスのよい、やわらかなアンサンブルを奏でる。そして液体ローションのような女性ヴォーカルが、ヌルリとまとわりつきながら、中心のヨシダ氏のメロディを際立たせる。
(演奏の後、K君の友人でSitaar tah!の奏者の一人であるNさんに話を伺ったところ、このライブのために何十回とリハを重ねたそうである。40分以上もあるラーガ楽曲を20人で演奏するのは並大抵のことじゃないはず。)

海月節
Sitaar tah!(2005)ORO record
ライブ音源のCD-R


また、生西康典氏の流すモノクロのVJは、大樹に這いつくばるゲッコウや風で揺らぐ草木を重層的に映し出し、サタジット・レイの映画のワン・シーンを彷彿とさせる。
そのうち会場はどこか森の中にいるような感覚につつまれてくる。月光の木漏れ日が足下に落ちて来る。スピリチュアルでトランス。たぶん、インドやネパールのアンダーグラウンド、あるいはアムステルダムの合法的ドラッグカフェでこの催しが行われていたとしたら、ガンジャの煙が20年前の大手広告代理店の会議室の煙草の煙のように充満していたことだろう。

ふと気づくと、あまりの心地よさにアルファ波を分泌しすぎてしまった3分1以上の観客が白河夜舟を漕いでいるではないか。それも演奏開始15分たらずで。(笑)まさかと思ってとなりを振り向くと、友人Kさえもが「戦場の兵士のように立て膝をついて」眠っている。(笑)みんな共鳴している、、、、のか?照らし出されるライティングは、眠りに誘惑された、いくつもの丸まった背中さえも幻想的に見せてしまうから不思議だ。でも、いいのかこれで?

これでいいのだ。

AlayaVijana at Bai-on Onsen club vol.2 Yoshida's back , sitar master
Instruments after show

そして第2部。こちらがメインアクト、ということになるのだろう、AlayaVijana(アラヤヴィジャナ)の演奏。  1stアルバムはシタールのヨシダ氏とタブラの瀬川UKO、そして日本が誇るディーバ、UAが参加の3人編成だったのでご存知の方も多いだろう。(NHK教育の「ドレミノテレビ ううあとうたおう」で観た人も多いはず)今回の編成は、シタール+タブラに加え、ホーメイ(モンゴル周辺の喉歌、倍音歌唱)+イギル(モンゴル〜中央アジアの二胡)+パーカッション+ベース+マリンバ+口琴の編成。なんだ、民族音楽のバンドじゃん、と言う事なかれ。イマドキは「倍音音楽」というのである。いや、そういう言葉じりの問題じゃなくて。

これが衝撃的な演奏だったのである。

バラナシのシタール・マスターは、常々僕にこう言っていた。「音楽は自らが奏でる物ではない。万物の神から与えられるものなのだ。それを感じとることが大切だ。」と。まさに、彼らの音楽は何かが降りて来た感じだった。 グルーヴ感といい、シタール+タブラの超絶テクといい、先日取り上げたたインドのフュージョン・ユニット、シャクティに通じるダイナミックさがあって、ここがイーストバウンド的に重要なのだが、なぜか「ポップ」なのである。

 あの一聴すると、「お経のよう」(友人K談)に聴こえてしまうホーメイが、ポップに聴こえてしまうっていうのはどういうことなんだろう? 民族音楽なのにこの新しさは何だろう?ついに、こういうバンドが日本に現れたのか、と感心することしきり。Sitaar tah!のメンバー、Nさんによれば、セカンドアルバム『Alayavijana2』は既にタワレコのワールド部門でトップ3の売上を記録しているという。そして、今回この豪華メンバーが一同に会して演奏するのも、奇跡的なほど、珍しいのだそうだ。
Alayavijana2
AlayaVijana(2005) Music Robita & HighContrast Recordings


**

ライブの後、腹が減ったということで、やはりここはエスニック、インド料理なんかがピッタリくるのではあるが、めったに来ることはない浅草らしいものを食べようと言う事になり、店を物色するが、なぜか閉店間近な店ばかり。結局「トキワ食堂」というところで柳川鍋を食べることにした。

「柳川鍋」って浅草名物なの?あの、アサリが入った鍋って何ていうんだっけ?、、、、などとマヌケな会話をしつつ、ちょっと生臭さがあり、味付けの濃過ぎる、しかも小骨の多い「ドジョウ」に、なんとか舌が馴れると、美味しさは加速し、全て平らげることができた。K君は口に合わなかったようだけど。

Kaminari-mon at Saturday nightYanagawa-nabe


というわけで、久しぶりにシタールの倍音温泉につかり、浅草も楽しんだ贅沢な夜となった。 僕の着ていたTシャツを絞ったら、シタールの音色とドジョウが出て来そうだった。 誘ってくれたKに感謝。

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コメント 6

しん

う~ん、超大作ですね。
シタールの大合奏ですか。その名も倍音音楽、なあるほど。

そして幻想的な「うんこビル」ですねぇ。
Golden Poo というのは初めてききましたがカッコいいですね。
あのビルは某ビール会社なのですが、みんな「うんこビル」と呼んでいます。
タクシーに乗っても「○○○ビール? ああ、うんこビルね」といわれます。

ところで、さそってくれたのは○んの氏ですか?
by しん (2005-09-05 21:48) 

モンキーカネコ

拷問に近い文章で、すみません。
このページ作るのに、日曜日が丸々潰れてしまいました。

欧米人の間ではGolden pooと言われてようですよ。
まあ、意味は同じウン○なんですが。黄金の、がついてるだけスマートな感じがしますね。

しかし、しんさん、ウン○、ウ○コって何回書いてるんですか〜。(^^;)/
まるでウン○の倍音ですね。(笑)
by モンキーカネコ (2005-09-06 00:48) 

ケン@Fleececrew

おおシタールでそんなイベントが。。しかも浅草。。
素晴らしいですね。
僕は先日はじめて尊敬してるサラーム海上さんってライターの方主催の
インド古典にいきはじめてシタールを見てきましたが。
それが20人ですか。。凄いですね。。
by ケン@Fleececrew (2005-11-15 20:42) 

モンキーカネコ

書き忘れてましたが、もちろんサラーム海上さんの『エキゾ音楽超特急』は拝読してます。
インド〜中近東、ワールドミュージックの入門書としてこれ以上のものはないですね。
by モンキーカネコ (2005-11-16 21:41) 

琴似営業所前

現在、ドレミノテレビはBs-iで放送されています。
by 琴似営業所前 (2008-03-09 20:27) 

モンキーカネコ

>琴似営業所前さん
情報ありがとうございます!
by モンキーカネコ (2008-03-15 20:08) 

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